
こんにちは。ゆやかのです。
予約の取れない天麩羅屋さんとして全国的に有名な成生さんの天麩羅をごちそうになりました。
市場に並ぶ前の新鮮な旬の食材を、最も引き立てる方法で調理されたお料理をいただくことができます。
天候や漁の状況によって、その年その月その日に使う食材が変わるそうで、その日にしか食べられないコースというところが、人を惹きつける理由の一つなのかと思いました。
板場の後ろには今日の献立の食材とご飯を炊くお釜が綺麗に並んでいます。
最初はお刺身です。お魚はサスエ前田魚店の、その日一番の魚を使っているそうです。
ご主人が目の前で刺し身をそぎ造りしてくれます。
この日のお刺身は羽太(ハタ)。わさびは静岡市有東木(うとうぎ)産。
さっぱりとした口当たりのハタのお刺身に、爽やかな辛味のわさび。最初から幸せです。
二品目は伊勢海老。
こちらも県内で取れたものだそうで、この日がシーズン最後の伊勢海老漁の日ということで、成生さんでは今シーズン最後の伊勢海老だそうです。
軽く表面を炙ってあり、うなぎのタレのような甘めのお醤油ベースのタレがついていて、食感・味も最高でした。
三品目は太刀魚(タチウオ)。
こちらも駿河湾で水揚げされたものだそうで、とても肉厚で、口の中でほろほろ身がほどけるような感覚で、脂ものっていました。
大根おろしは荒めにすってあり、甘味があり、食感もよかったです。
四品目は空豆。
甘みがあってほくほく。お塩でいただきました。
串は細いですが強くて軽いです。細かなところまで行き渡った心遣いを感じます。
四品目はたらの芽。
栽培された山菜は苦味を強くしたものが多いそうで、今までスーパーで買っていた山菜が苦かった理由がわかりました。
この日の天然のたらの芽は甘みさえ感じ、みずみずしい一品でした。
五品目はヤングコーン。
森町のものだそうで、ヤングコーンの状態で食べられるのはこの時期ならではだそうです。
絹糸(けんし)と呼ばれるひげの部分は揚げると食感が良くなるとのことで、半分くらい残った状態に。
紙に包んで渡してもらいます。
何もつけずにそのままいただくと、ひげの部分がサクサク!
ヤングコーン好きとしてはこの上ない美味しさです。
こんなに食感が良くて、甘いとは。とても贅沢な食べ方だなあと思いました。
六品目は鱚(きす)。
箸を入れるとすぐに崩れるくらい身が柔らかいため、端で割らずに食べてくださいとのこと。
細心の注意を払いましたが、口に入れた瞬間ほろほろ崩れました。新鮮な鱚はこんなに身が柔らかいのかとびっくりしました。
七品目は丸茄子。
揚がった丸茄子に、刷毛で醤油をつけ、塩を少しふりかけた状態でいただきました。
外はパリパリ、中はトロトロで、癖のないフォアグラの天麩羅を食べているような感覚でした。
八品目はアオリイカ。
肉厚ですが丁寧に隠し包丁が入れられていて、適度な歯ごたえがあって、イカがあまり得意でなくても美味しく頂けました。
九品目は鯵。
この鯵の美味しさが、この日の献立で一番びっくりしました。
丸々と太って、鯖のように肉厚な鯵が目の前で捌かれ、さっと外側に熱が入るくらいに揚がっていて、半分に切られた状態でタレが塗られています。
この日水揚げされた新鮮な鯵は、翌日に豊洲に並ぶものだそうで、誰よりも早く口にすることができました。
鯵は新鮮過ぎると刺身では身の弾力が強すぎるそうで、衣を付けた蒸し料理とも言われる天麩羅が最も良い調理法だそうです。
中はレアのためお刺身のようで本当に美味しかったです。レアのステーキのように外は熱々カリカリで、中はレアというのがイメージが近いでしょうか。
十品目は梭魚(カマス)と野菜のサラダ。
人参・人参の葉の天麩羅・アスパラガス・ステビアの葉・焼いて脂の乗ったカマスが盛り付けてあり、食感の違うものをヒトサラでいただくことができます。
十一品目は虎魚(オコゼ)。
高級魚とも言われるオコゼは、七味とタレで味のついた天麩羅で、紙に包んで渡してもらいました。
身がふっくらとして、適度に脂がのっていて最高の食感でした。
十ニ品目はじゃがいも(メークイン)。
御前崎の方のメークインだそうです。茹でずに、長い時間かけて揚げているため「すごく熱いから気をつけてください」と念を押されて、かなり用心して食べましたがやけどしました。
皮付きのため、周りはパリパリ、中はホクホクです。
温度が下がってくると食べやすいのですが、皮の歯切れはすぐに食べたほうが美味しいため、やけど覚悟で食べればよかったかなとも思っています。
十三品目は鮋(カサゴ)。
大きな身のカサゴが大根おろしの上にサーブされました。
淡白なイメージのカサゴですが、身がしっかりとしていました。
たっぷりの大根と天つゆでいただきました。
十四品目は浅蜊(アサリ)。
浜松の方のアサリとのことで、3つのアサリを串に刺して揚げたものを包丁で半分にしたものに、タレを付けていただきました。
当たり前なのだろうと思いますがよく切れる包丁にびっくりました。最近はスレンレスの包丁を使う料理人もいるそうですが、大変でも鉄の包丁を手入れをしながら使うことでどんどん馴染んでいくのだそうです。
アサリは得意な方ではありませんが、レアな食感で、くさみもほとんどなく、タレの甘みとよく合って美味しかったです。
十五品目は薩摩芋。
さつまいもだけは県外産で種子島のものだそうです。
序盤から油で揚げられていて、十ニ品目のじゃがいもあたりから油から上げられてお皿の上に並べられていました(左奥にじゃがいもが見えます)。
さつまいもも紙にくるんで手渡しでいただきました。
振りかけられた粗めのお塩で、さつまいもの甘さが引き立っています。
十六品目はこしあぶら。
こしあぶらも苦味がなく、香りがとてもよかったです。すっきりした天麩羅でそろそろ終わりかな。
十七品目はメゴチ。
足が早いため手に入りづらい魚だそうで、白身でさっぱりしていました。
ここからは食事です。
お漬け物の上には粗めに削られた鰹節。
風味も食感もよかったです。
天丼、天茶、天ばらから選べるご飯もの。
今回は天ばらを選びました。
藤枝のお米がふっくらと炊き上がって、ご飯だけでも美味しかったです。
海老の天麩羅と、人参の葉っぱだったかと思います。かき揚げご飯のようで美味しい~。
最後はお出汁をかけてお茶漬けのようにしていただきます。
岩海苔と山葵をのせつつさらっといただきました。
美味しかった~。
ご飯を食べ終わると、お茶と新しいおしぼりが。
おしぼり大きい。
そして水出しのお茶を少しだけ。とても甘かったです。
水出しのお茶を飲み終わると、一度にお湯のみを回収して、お湯でお茶を入れてくださいます。
最後はお茶とデザートのレモン。
オレンジ色のレモンでとても甘くてびっくりしました。
とても美味しいお料理でお腹が一杯になってとても幸せでした。
また行けるといいな。
板前てんぷら 成生のお店の概要
[お店概要]
店名: 板前てんぷら 成生
ジャンル: 天ぷら
所在地: 〒420-0839 静岡県静岡市葵区鷹匠2丁目5−12